歯周ポケットについての基礎知識


歯周ポケット」という言葉はCMなどでもよく聞くのでご存じの方は多いと思いますが、「実際に歯周ポケットとはどんなものなのか?」とか「歯周ポケットがどんな状態になると歯周病のリスクが高まるのか?」と言われると詳しくはわからないのではないでしょうか。
そこで歯周ポケットについて少し取り上げてみました。

歯周ポケットとは?


歯周ポケットとは「歯と歯茎のスキマ部分」のことだというのはなんとなくご存知だと思います。

そしてお口のトラブルを抱えていない人でも1ミリ程度の歯周ポケットは存在しているようで、「ポケット」と呼ばれるだけあってこの隙間には歯垢がたまりやすいため目立ったトラブルがなくても日々のケアには注意が必要ですよ。



そしてトラブルによる歯周ポケットの変化には段階があって、「ポケット部分を清潔にせず、隙間の中で細菌が繁殖して歯茎が炎症を起こすことで歯周ポケットが広がりだす初期段階」では「仮性ポケット」という名前が付けられており、さらに進行して歯と歯茎をつなげている大切な歯槽骨がダメージを受けて溶け出すと歯周ポケットが大きく広がって「真性ポケット」という状態になってしまいます。

初期の仮性ポケットの段階ならばしっかりとブラッシングをすることでお口の中の免疫成分も手伝って回復することができるのですが、真性ポケットにまでなってしまうと自分では対処できず歯医者さんでの治療が必要となるので早い段階でのケアを心がけましょうね。

ちなみに皆さんも歯医者さんに行った時に虫歯のチェックとともに「歯周ポケットの深さの測定」をされたことがあると思います。

この時に一本一本の歯と歯茎に器具を差し込んで「2ミリ…3ミリ…」とか言われていると思いますが、この深さが4ミリとか5ミリぐらいになると要注意段階で治療が必要になってしまいますので、せめて3ミリぐらいの状態でケアを続けてキープすることが大切ですよ。

歯周ポケットのケアは丁寧なブラッシングが基本となっており、歯ブラシを「歯と歯茎のスキマに当てながら細かく動かして磨く(45度ぐらいの斜めの角度で)」のが有効です。

・・・とはいえ、通常の歯ブラシではなかなか届かせることが難しいのも事実なので、「歯ブラシの毛先が細いものを使ったり」、電動歯ブラシ、さらには歯周ポケットに入り込みやすい液体歯磨きや洗口液などを使うことで効率的にケアができると思いますよ。



ただしっかりとブラッシングしようとするあまり、「電動歯ブラシを強く・長時間歯や歯ぐきにあて続ける」ことは絶対にしてはいけません。
歯の根本はエナメル質が薄くて弱いので傷つきやすいので、あくまでも「優しくブラッシングする」ようにしてくださいね。

この記事のまとめ

  • 歯と歯茎の隙間である「歯周ポケット」は細菌が中で繁殖するとドンドン広がっていき、歯周病の大きな原因になる
  • 「初期段階の歯周ポケットの広がりならばブラッシングでも元に戻る」ことができるので、毎日のように丁寧に歯と歯ぐきの隙間にブラシをあてて磨いてケアすることが大切
  • ただ「通常の歯ブラシでの手磨き」では限界があるので、「極細毛ブラシが使える電動歯ブラシ」や液体歯磨きを使うのがオススメ
  • 自分で「最近、歯が長くなってきた」なんて感じている人は歯医者さんで歯周ポケットの深さを確認してもらいましょう