大人の嗜好品と歯周病

歯周病はしっかりとオーラルケアをしている人でも・・・悲しいことに年齢が進むことでだれもが高確率で経験してしまうお口のトラブルなんですよね。

ですが年齢による原因だけでなく大人の嗜好品によってもリスクが高まってしまうので、その点について取り上げてみたいと思います。

まずは体に対して良くないと散々言われている「タバコ」ですね。

最近ではどんな場所でもタバコを堂々と吸えずに喫煙所に集まって肩身の狭い思いをされている人が多いでしょうけど、やはりタバコを吸っている人自身への影響だけでなく副流煙よってまわりの人にまで悪影響があるとなればこのような状況はショウガナイこととも言えるのではないでしょうか?



そしてタバコと歯周病に関しては、「タバコによって血管が収縮して歯ぐきの血のめぐりが悪くなる」ことや「喫煙で唾液が減って歯垢が付きやすくなる」、さらには「体の抵抗力が弱まって歯周病菌が歯ぐきに悪さをし放題になる」などの原因から歯周病とはかなりハッキリとした関係があります。

もちろんタバコによって「歯周病になりやすい」というだけでなく、すでに歯周病の人の治療にも悪い影響があるので、歯周病対策をお考えの人やすでに歯周病で現在治療中だという人は・・・少し大変なのかもしれませんが喫煙習慣を断ち切ってタバコをヤメる努力をされるとオーラルケアもグッと効率よくできると思いますよ。

それとタバコ以上に毎日のように楽しんでいる人が多い「お酒」ですが・・・お酒に関してはタバコほど直接歯周病の原因となるということはありません。

ですが、お酒に含まれる成分によって歯周病になりにくいとはいえ、アルコールを飲んで酔っ払ってしまうと・・・基本でありながら一番大切なオーラルケア方法である「キチンと歯を磨いてから寝る」ことが難しくなってしまいます



これは恥ずかしながら私も経験がありますが、酔っ払っている状態だと「自分でしっかりと歯を磨こう」と思っていても手磨きではどうしても磨き残しが多くなってしまう上に、さらにひどい場合にはお酒やおつまみを食べた状態でそのまま朝まで眠ってしまうこともあるので歯周病や虫歯リスクはとっても高まってしまいますよね。

それにアルコールは口の中の水分が減らしてしまう作用によって唾液が減少してしまう可能性もあるので、アルコール濃度の高いお酒を飲んでいる人はお口の中に残っているアルコール成分には一応ご注意ください。

とにかく、お酒が好きで毎日のように飲まれている人は(お酒の量をホドホドにした上で)夜の歯磨きには自分で細かくブラシを動かす必要がない電動歯ブラシを使用することをオススメします。

電動歯ブラシならば多少酔っていても短時間で手磨きよりもキレイに歯を磨くことができますし、手で磨く面倒臭さがないので「ブラッシングが億劫になって歯磨きしない」ということが少なくなるのではないかと思いますよ。



そのほかの対策法としては・・・あらかじめお酒を飲む前に歯磨きとフロスでお口の中をキレイにしておき、「おつまみは食べずにお酒だけを飲んで、寝る前には洗口液で口をゆすぐ」ことをすればそこまで大きなトラブルにはなりませんけど・・・これはかなり面倒ですし、お酒が楽しめないかもしれませんね♪

というわけで、タバコもお酒も楽しみにしている人が多いことだけに、頭ごなしに「ゼッタイにヤメましょう」ということは言えませんが、「お口のトラブルリスクが高まる」ことを自覚して量や頻度の調節やオーラルケアに力を入れることを心がけましょう。

この記事のまとめ

  • 歯周病は加齢とともに「お口の中の抵抗力が弱まる」ことで発生してしまうことが多い
  • ただ、「お酒やタバコ」などの嗜好品によってもリスクが高まるので注意
  • 一般的に飲まれるような種類のお酒がスグにお口のトラブルに発展するわけではないが、「アルコールによる気のゆるみ」でオーラルケアを怠ってしまわないようにする
  • タバコは「お口の中の血流が悪くなったり、唾液が減少する」ので歯周病リスクに直結する上に、タバコを吸っている歯周病患者さんは治療にも時間がかかることがある
  • 自分や家族のお口の健康を考えるのならば・・・「お酒はホドホドに」、「タバコはスッパリとやめてしまうか、家族の生活空間とは別の場所で吸う」ように心がけましょう