「歯茎に埋まった歯(埋伏歯)」について

「歯が歯茎や骨の中に埋もれてしまって外からは見えない状態の人」が最近ではけっこう増えてきているそうですね。

この埋もれてしまった歯は「埋伏歯(まいふくし)」と呼ばれていて、埋伏歯のほとんどのほとんどのケースは下アゴの親知らず部分で発生してしまいます。
では「なんで親知らずがキレイに生えず歯茎に埋もれてしまいやすいのか?」については、とっても単純で「歯が上に真っ直ぐ生えるスペースがないために埋もれたままになってしまう」からなんですよね。

そしてこの埋伏歯が現代人に増えてきてしまった原因ですが・・・
こちらも単純なお話で、皆さんも「昔の人」と「現代人」の顔のイメージをポンヤリ思い浮かべてみると「昔の人は角ばった無骨な輪郭」をしていて「現代人はアゴがシャープでほっそりとしている」ような顔を(きっとたぶん…)想像してしまうように、現代人は食生活の変化などでアゴがあまり発達せずに親知らずが生えてくれる年齢にまで達してしまう人が増えているため、それに伴って埋伏歯の人も増えてしまっているそうですよ。


とはいえ、単に「アゴの発達」というだけの問題ではなく「毎日アゴに圧力がかかりやすい横向きの体勢で寝てしまう」なんてことでも意外とアゴの形が変化して親知らずが上手く生えないこともあるので、成長期のお子様などの寝相には多少気を使うことも大切となりますよ。

実際に親知らずが埋もれたままになってしまうと、埋伏歯は「斜め」や「真横」を向いて隣り合っている奥歯と接触してしまうケースが多々あるために「食べカスが溜まりやすく、ブラッシングしにくい場所※」となり炎症を起こしてしまうこと(智歯周囲炎)が多い上に、
親知らずが奥歯に向かってどんどんと生えようとすることで「奥歯への圧力によるトラブルが発生しやすい」だけでなく、それによって歯並びまで変化させてしまうこともあるので注意が必要です。

※口腔洗浄器を使うことでブラシが届きにくい部分もある程度ケアできますよ。


なので昔は「将来的に悪さをする」と思われる埋もれてしまっている親知らずは積極的に抜くような処置がとられていたようですが、最近では「智歯周囲炎などが頻繁に起こる」などのトラブルが発生しなければ無理には抜かないなんて歯医者さんもおられるようなので・・・
結局のところ、埋もれてしまった親知らずの処置は「歯医者さんの治療方針と私達の希望」によっても多少変わってくるみたいですね。
(斜めに生えている程度の親知らずならば虫歯になっても治療をして普通に使い続けることも可能ですし…)

ちなみに親知らず部分以外でも埋伏歯が発生することはありまして・・・
この原因は「アゴの形」や「遺伝」、「過剰に歯が作られてしまう」、「乳歯から永久歯への生え変わりが上手くいかない」などの理由により起こってしまうこともあります。

とにかく、いろいろな原因から埋伏歯が発生してしまうので「埋伏歯を完璧に防ぐ方法」となるとなかなか有効な方法はないのかもしれませんが、とにかく「乳歯の頃から適切なオーラルケアをする」ことや「よく噛んで食事をする」ことが基本でありながら重要な対策方法となりそうですね。

この記事のまとめ

  • 歯茎から出てこない歯(埋伏歯)はアゴの小さな現代人にとって最近とても増えてきている問題
  • アゴが小さくなってしまった大きな原因は、昔とは食事内容が変わってきてしまいたくさん噛んで食事をする必要がなくなってしまったため
  • 普段の姿勢や寝相などによってアゴに負荷をかけてしまうことでも埋伏歯になることがある
  • 埋伏歯周辺はブラッシングなどでのケアできないことから虫歯や歯周病になりやすい
  • 埋伏歯を防ぐには…成長期に「しっかりとしたオーラルケア(虫歯による歯並びの乱れを防ぐため)」や「よく噛んで食事をする(アゴの成長を促す)」ことが大切