虫歯は黒い?

もし「虫歯になった歯の状態を思い描いてください。」と言われたら・・・ほとんどの人が「穴があいた黒い歯」を想像するのではないでしょうか?
そこで今回の記事では「虫歯になると歯が黒くなってしまうのか?」ということについて取り上げてみたいと思います。

虫歯は黒いの?

虫歯は黒いというイメージが私達に浸透しすぎているほど知られているので、鏡を見て部分的に黒くなっている歯を見つけると「虫歯になってしまった・・・」と感じる人がほとんどではないでしょうか。

とはいえ実際のところ、初期の虫歯では虫歯部分は白くなってしまうんですよね。

これは虫歯が「脱灰」という酸によって歯のカルシウムやミネラルが解け出して起こる現象により白くなってしまうからで、私達の歯は毎日この「脱灰」と唾液による「再石灰化」の綱引きが行われて歯の状態が変化しています。

そしてこの綱引きの結果、唾液の強さや分泌量の影響で再石灰化が間に合わずに脱灰がさらに進むと虫歯へと進行していきますが、この段階でも歯が溶けてしまうことによって黒くなるわけではありません

ではなんで虫歯になると歯が黒くなるのかというと・・・
黒い部分は実は「脱灰してしまった状態から再石灰化が起こった部分」であり、再石灰化をする時には「黒い色素を出す細菌」や「食べ物などからの着色」が起こりやすいので黒くなってしまうというのがカラクリのようですよ。

なので「黒い虫歯は脱灰と再石灰化を多く繰り返している歯となるので進行がゆっくりの虫歯であり、再石灰化がほとんど起こらないような進行速度の早い虫歯だと黒くなるヒマもなく白いままどんどん悪化してしまう」ということとなり、素人目では色だけで虫歯だと判断することは難しいというのが本当のところではないでしょうか。

ですので黒く変色した歯が気になって歯医者さんに行っても、初期の削る程でもない虫歯であったり、進行がストップしている元虫歯であったりで治療をしないなんてことはよくあります。

もちろん元々虫歯ではなくてコーヒーやワイン、タバコなどの着色が黒い虫歯に見える場合もあるから、歯医者さんが苦手な私のような人でも年に一度ぐらいは定期健診で歯の状態確認やクリーニングをしてもらうことが重要になるということになりますね。

・・・でもドコも痛くないのに歯医者さんに行くのって面倒で足が遠のいてしまうんですよね・・・

虫歯と歯の黒さについてのまとめ

  • 虫歯によって歯が黒くなるわけではない
  • 黒いのは再石灰化した時に色素を取り込んでしまうから
  • 黒い虫歯は比較的進行が遅かったり、進行が止まった元虫歯
  • 再石灰化することなくドンドン進行する虫歯は白いままで悪化するケースが多い
  • 虫歯がどうかの判断は私達が鏡でチェックしてもわかりにくい