歳をとると唾液が減ってしまうのは仕方がないのか?

年齢が上がるにつれてお口のトラブルが発生しやすくなってきた…」なんて感じておられる方はけっこう多いのではないでしょうか?
これは単純に「子供の頃から長年同じ歯を使い続けているのでトラブルが増えるのはしょうがない」とも考えられますが、その他にも「加齢による唾液量の減少」がとても関係しているようなので今回は「加齢と唾液量」について取り上げてみたいと思います。

・・・と、その前にまずは唾液の働きについて簡単にご説明しておきますと・・・
唾液は「殺菌・抗菌作用や粘膜の保護」などの作用があるために「虫歯や歯周病、口臭など…ほとんどのお口のトラブルから守ってくれる人間にもともと備わっている素晴らしい機能」なんですよね。
(なんと1日に1リットル以上も分泌されているそうですよ!)

そして唾液の具体的なトラブルに対する働きとしては、
「食後にお口の中が酸性に傾いて歯が弱くなった時(虫歯になりやすい環境になった時)も唾液の働きによって中性に戻してくれる」とか「ドライマウスによる口の乾燥からくる口臭・ニオイの原因菌の増殖による口臭を防いでくれる
という働きがあるので、このようなことを考えると「唾液の量が減る=お口のトラブルに見舞われやすい」ということは皆さんもお分かりになると思います。


ですのでいくらお金をかけてオーラルケアアイテムを揃えて、それらを正しく使ったとしても「自分の唾液の分泌量が減ってしまっては元も子もない」ということになので注意が必要ですよ。

そしてここからが本題の「加齢と唾液量」についてですが・・・
これに関しては、人間は歳をとると唾液の量が減ってしまうのは「老化現象のひとつで仕方がない」ということはまずはしっかりと覚えておくことが大切です。
(逆に赤ちゃんは唾液が口からあふれてしまうぐらい量が多いですよね。)

とはいえ、ここで「加齢よって唾液が減ってしまうのなら何もせずに諦めてしまうしかないのか?」のかといえば・・・全くそうではなくて、加齢によって減ってしまう唾液は安静時唾液という「なにもしていない時に分泌される唾液」の量が減るだけなのが大切なポイントとなります。
というのも唾液の分泌というものは安静時にただ勝手に分泌されるものだけでなく、「物を噛む」とか「お喋りをする」という時に分泌される刺激唾液というものもあり、この刺激唾液はいくら老化しても若い人と分泌量に差があまりないんですよね。
なので、「最近唾液量が減ってきた気がする…」なんて人は積極的に「口の周辺部分に刺激を与えて唾液を分泌される」ように心がけましょう。
(食事に歯ごたえのあるものを食べる、ガムを噛む、唾液腺のマッサージをするなど…)



ただ、お年寄りになるにつれて「噛む」という動作も「歯を失ってしまったり、アゴの筋力が低下してしまう」という理由から少なくなってしまうため、「老化による唾液が減る→お口のトラブルが発生→満足に咀嚼できないのでさらに唾液量が減る・・・」という負のスパイラルにおちいってしまう危険性があるので、できるだけ若いうちから健康的な歯を維持しておくことは大切ですよ。

ちなみに「加齢」以外にも唾液が減ってしまう原因はあって・・・
ストレス(質の良い唾液を出にくくする交感神経が過度に活発になるため)」や「口呼吸が癖になっている」、「薬による副作用」なども考えられるので、一度自分の生活を振り返ってみて唾液が減っている理由を調べてみるのも良いと思います。

それと女性の場合は「閉経後などで女性ホルモンが減る」ことも唾液の減少と関係があることから、加齢による唾液の量の減少に拍車がかかる危険性があるので「更年期の女性」は特に対策をしていくことをオススメいたします。

この記事のまとめ

  • 唾液はいろいろなお口のトラブル予防のために役立ってくれるので唾液の減少はお口のトラブルに直結してしまう
  • 年齢を重ねると自然と唾液量が減ってきてしまい若い頃よりもトラブルが発生しやすいので要注意
  • 加齢以外にも「お薬の副作用」や「ストレス」、「女性ホルモンの減少」、「お口のトラブルで歯を失ってしまい咀嚼のバランスが崩れる」ことでも唾液は減ってしまう
  • ただし「意識的に唾液を増やすことを心がける」ことでお年寄りでも唾液量は増やすことができる
  • 唾液量を増やす具体的な方法としては…「食べ物をよく噛む・お喋りをする」といったアゴや舌を動かす動作や「直接、唾液腺(耳の前のこめかみ部分)や歯茎をマッサージ」してあげるのが有効