自宅でできる高齢者へのオーラルケアについて

自分ではオーラルケアができなくなってしまった高齢の家族がいる場合、「どのような流れでケアしていけば良いのか?」というのは分からないですよね。
そこで今回は「高齢者のお口のケア方法」について取り上げてみたいと思います。



まず・・・高齢者のお口の中のケアをする前に体の健康状態も把握しておくことがとても大切でして・・・
「血圧チェック」や「体重の増減」をはじめ、「自分でどの程度までケアできるのか?(ブラシは使えないが、うがいは自分でできる…など)」をしっかりと見た上で「お口のケアができる状態かどうか?」を判断してからケアしてあげましょう。

そして実際のケア方法についてですが・・・
これは自宅でできるケアとしてはそれほどたくさんのことはできませんので、「ブラッシング」や「入れ歯のお掃除」、「お口の状態のチェック」が基本になると思います。

ブラッシングに関しては、寝たままの状態でするよりは「椅子などに座らせて、アゴを少しひいた感じ」で磨いてあげると、ブラッシング中にお水が喉に向かいにくくなるためおすすめで・・・
歯を磨く順番としては奥歯から順に前歯に向かって磨くようにして、さらにガーゼなどを持ちながらこまめにお口まわりのお水や唾液は拭きながら行うと高齢者も違和感を持ちにくいようですね。
(それと、ブラッシングをしてあげるときには手をしっかりと洗った上で手袋などをして衛生面にも気を使うことも忘れないようにしましょう。)

ちなみに「歯ブラシ選び方」に関しては個人差があるのでなんとも言えませんが、
「お口の中でブラシを動かしやすいようにヘッドがコンパクトなタイプのブラシを選ぶ」ことや「歯茎を傷つけないため(痛みをできるだけ感じさせないため)にソフトなブラシを選ぶ」のが基本的には良いと言われておりますよ。



そしてブラッシングが終了したらお口の中をしっかりと観察して、「口の中に食べかすなどが残っていないか?」とか「頬や舌にキズはないか?(あった場合には入れ歯の状態もチェックする)」、「舌の状態(舌の汚れは奥側に溜まりやすい)」などを確認してあげましょう。
特に高齢者は舌の動きが弱くなるために「上あご」とか「舌の裏部分」などにものが挟まったままになることがあるのでご注意くださいね。

●汚れが溜まりやすい方の場合には口腔ケア用のスポンジを併用されるのが良いと思います。

とにかく・・・「お口の中に大きなトラブルがある」とか「口がうまく開けられない」ということになると歯医者さんに相談する必要はありますが、自宅でできるケアとしてはブラッシングやうがいによって汚れを落としてあげるのが基本なので皆さんも上記のようなことを心がけてケアをされていってみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめ

  • 高齢なご家族のオーラルケアをするにはお口の状態だけでなく、体の健康状態もしっかりとチェックすることが重要
  • 自宅でできる高齢者へのオーラルケアはブラッシングが中心
  • ブラッシングをしてあげる際には不快感を感じさせないような「歯磨きの体勢」や「力加減」を心がける
    (不快な体験をさせてしまうと「歯磨きを嫌がって口を開けなくなってしまう」こともあるため)
  • 歯ブラシは「お口の中で動かしやすく、刺激の少ない商品」を選ぶ
  • ブラッシング後には上あごや舌の裏のチェックもお忘れなく