歯並びは「子どもの頃からのケア」が大切

「自分の子供の将来の歯並びが心配…」という親御さんはとても多くおられるのではないでしょうか?
そこで今回は「子供の歯並びに良い生活」について少し取り上げてみたいと思います。

まず、そもそも「なんで歯並びが悪くなってしまうのか?」というところからご説明したいのですが、これは「永久歯の生えるスペースが少ない」ことが大きな原因でして・・・
永久歯はたとえスペースがあろうとなかろうと「どんどんと生えようとします」ので、結果的に「他の歯を押しのけたり、僅かなスペースを探してでも生えてくる」ことから「斜めに生えてしまう・歯が重なって生えてしまう」なんてことが起こってしいます



ですので「乳歯が隙間なくキッチリと生えている子」というのは現時点での見た目は良いのですが、「乳歯よりも大きな永久歯が生えるスペースが足りなくなる」ために将来的には歯並びが悪くなる危険性が高まってしまい・・・
その反面、見た目が現時点であまり良くない「ある程度乳歯に隙間がある子」の方が永久歯になるときには歯並びが良くなることが多いそうですね。
(…ちなみに、これは決して「乳歯の時には歯並びが悪い方が良い」というわけではなく、「ある程度乳歯には隙間があったほうが良い」ということですので、乳歯が凸凹状態で生えているお子様も永久歯の歯並びが悪くなる傾向はありますよ。)

ということは良い歯並びを手に入れるには、「歯が生えるスペースを確保する」こと・・・
つまり「しっかりとアゴを成長させてスンナリと永久歯が育つ環境づくりをする」ことが重要なんですよね。

そして気になる「アゴを成長させる方法」なんですが、これはゼンゼン特殊な方法ではなく「よく噛んで食事をする」「ある程度噛みごたえのある食品を食べる」ことが基本中の基本となりますよ。

よく噛んでアゴをよく動かすだけで成長に必要な栄養をしっかりと取り込むことができますし、体の筋力トレーニングをするような感じでだんだんと骨も丈夫になっていくので、ファストフードや加工食品などの「あまり噛まないでも飲み込めてしまう食品は避ける」のは虫歯予防などの歯の健康だけでなく歯並びにも良い影響があるので是非とも実践されてみてくださいね。



ですが・・・
「子供に多く咀嚼をさせるために硬い食べ物をたくさん食べさせる」というのはあまりよい方法ではなく、アゴの筋力が弱くて骨がまだしっかりと出来上がってない子供が堅い食べ物を急に食べると顎関節症などのリスクが高まるので、あくまでも「汁物の中にお野菜を大きめにカットして入れる」などの「咀嚼する力が弱くても食べられるのに、よく噛んで食べる必要のある食材」を選ぶようにしましょう。

さらに「よく噛んでアゴを成長させる」こと以外にも・・・これは当たり前のお話ですけど・・・
「虫歯」は歯が溶けてしまうお口のトラブルであるので歯並びにも大きな影響を与えてしまうことから、「乳歯の後に生えてきた永久歯を虫歯にさせない」ことも歯並び対策として重要ですよ。

特に生えたばかりの永久歯は大人の歯と比べるとかなり弱くて、虫歯菌の出す酸の影響をうけやすく気を抜くとすぐに虫歯になってしまうので、
お子様が甘いモノを食べたら歯磨きやうがいをさせる」ことや「ジュースやスイーツをだらだらと食べさせない(おやつの時間を決めて短時間で済ませる)」「フッ素配合の歯磨き粉を使って歯を強くする」などを心がけてくださいね。



子供時代の永久歯にできた虫歯は丁寧に治療したとしても高確率で将来的にはまた虫歯が再発するので、できるだけ「永久歯は一回足りとも虫歯にしない」ぐらいの気持ちが大切ですよ。

・・・というわけで、お子様の歯並び対策として「アゴをよく動かす」ことや「虫歯にならない」ことについて紹介しましたが、これらの方法だけでなく「姿勢が悪い(猫背の子)」や「頬杖をつく子」、「横を向いて食事をする子(テレビが食卓の横にある家庭で多くなりがち)」、「指や物を加えるクセのある子」なども歯並びが悪くなる原因ですので、すぐにヤメさせてましょう。

歯並びというものは「遺伝の影響も強い(歯の大きさやアゴの形などが遺伝するため)」ことがあるにはありますが・・・
小さい頃からケアをしておき、ある程度良い歯並びになっておくと、「見た目の印象」だけでなく、大人になってからもブラッシング時の磨き残しが少なくなるなどオーラルケアの面からもメリットがありますからね。

この記事のまとめ

  • アゴがしっかりと成長できていないと「永久歯が生えるスペースが足りなくなる」ことで歯並びが乱れてしまう
  • 健全にアゴを成長させるには「よく噛んで食事をしてアゴを動かしてあげる」ことが大切
  • ただし、子どもは「アゴの力が弱く、歯がもろい」ので、無理に硬い食べ物を与えると「顎関節症」や「歯の欠け」が起こる可能性がある点には注意
    (「硬い食べ物」ではなく、「多少の噛みごたえがあって、噛み砕かないと飲み込めない」ような食事内容にするのが良い)
  • 「生え変わったばかりの永久歯」は、乳歯と同じように「虫歯になりやすくて進行も早い」ので虫歯対策にも目を光らせておくことが親としても大切な役目
    (虫歯対策は結果的には「歯並び対策」にもなってくれる)
  • 歯は「外からの力」によっても簡単に動いてしまうので、「姿勢を正したり、頬杖をつかせない」ことも心がけましょう